日本の音楽を再定義するエクスペリメンタル・ソウルバンド「WONK」を自ら率いつつ、インディペンデントレーベルを主宰するEPISTROPH。

WONKのメンバーはそれぞれがソウル、ジャズ、ヒップホップ、ロックのフィールドで活動するプレイヤー/ プロデューサー/ エンジニアという異色なバンド。2016 年に1st アルバムを発売して以来、国内有数の音楽フェス出演や海外公演の成功を果たしている。

今回、WONKメンバーを中心とするEPISTROPHからの依頼を受け、清澄白河に彼ら初となる実店舗の内装デザインをand Supplyで担当しました。

 

2フロアのメゾネット物件である本物件。

1Fはウォークインセラーを設置したワインスタンド、2Fは飲食店とは異なる意匠・レイアウトに。

限られた予算の中で空間を最大限活かすため、初期のゾーニングでは4案を製作。

必要要素(設備)をキービジュアルにする考え方とし、1Fではカウンターとセラー、2Fでは棚を中心に「どう見せるか」意識し、検討を重ねました。

ワインスタンドの「顔」となるカウンター。その形状を最大限に活かし、魅力的に見せるウッドパネルを採用。天吊りの戸棚と意匠を合わせ、空間の世界観をこの面で構築。天板は耐久性と意匠を考慮した磁気タイルに。

木部の素材は、ラワン材にやや濃いオイルステインの仕上げ。耐久性が求められる箇所には無垢の同材を使用し、コストを抑えながら機能と意匠を両立させています。

カウンター背面は特徴的なアーチのデザインに。3つ並んだこのアーチは勝手口のドアを隠す意味も持ち、不可変で空間の邪魔となってしまうこの扉を空間に馴染ませています。またアーチにはミラーを設置し、空間に広がりが生まれています。

空間の奥にあるウォークインセラーにはワインが250本以上収容できるスペースに。ガラス貼りで明るいセラー内はお客様が自由に思い思いのワインを選ぶことができます。空間自体は使う色を絞り、シンプルな構成のため、このセラーに並ぶワインのエチケットたちが空間に色を加えます。

エントランスに敷き詰められたブリックタイルはそのまま2Fへと誘うこの物件の特徴でもある螺旋階段のステップにも使用。床や天井を仕上げないことで全体がハードな空間になりすぎてしまうところ、ブリックタイルを用いることで、温かみがあり、部分的な高級感を演出しています。

このタイルは2023年の年始に訪れたオーストラリア・メルボルンの飲食店からもインスピレーションを受けています。

 

2Fは入口部をアーチにし、キービジュアルの1つに。棚も曲線にし、かつニッチ収納に。

フロア中央には赤色の絨毯を敷き、空間のアクセントに。

1Fのフロアのデザインと同じく、居心地が良く、かつどこか違う国に来たかのような印象を持つ空間に仕上げました。

……

個人的にもWONKの楽曲は以前から聴いており、依頼を受けてから観に行ったBLUENOTEのライブでは感動し、ライブ後では楽屋に訪問させて頂いた際に「かっこよかったです、最高でした!」とハイテンションで伝えてしまいました。

音楽はもちろん、プロダクト作りや飲食にも高い熱量で取り組み、様々な領域に挑戦し続ける同世代の彼らを今回、デザイン面でサポートでき、とても光栄でした。

Producer 倉嶋